【初心者向け】内蔵GPUとグラボ併用を考える前に知るべきメリットとデメリット

現在のノートパソコン等では、一部のゲーミングパソコンを除きグラフィックを司る、GPUがCPUと一緒のチップセットに収まる内蔵型が一般的です。

しかし、グラフィックの性能を向上させる目的で外付けのグラボを付けたいというユーザーもいます。とはいえ内蔵GPUと外付けグラボの機能を併用したい思う時もあります。

そこで今回の記事では、内蔵GPUと外付けグラボの併用は可能なのか、もし可能ならメリットとデメリットや注意点はあるのかについて解説します。

今回の記事でわかると
  • 内蔵GPUと外付けグラボは併用出来るのか
  • 併用する事で得られるメリットとデメリット
目次

内蔵GPUとは?

内蔵GPUは、パソコンのCPUに内蔵されたグラフィックスプロセッサのことを指します。主に以下の役割を果たしています。

  1. エネルギー効率: 内蔵GPUは、電力消費が少ない為、省エネ性が求められるノートパソコンやスマートフォンなどのモバイルデバイスに適しています。これは、バッテリー寿命を延ばすのに役立ちます。
  2. 基本的なタスク処理: 内蔵GPUは、基本的なグラフィックスタスクに適しています。例えば、ウェブブラウジング、文書作成、ビデオ再生などの一般的な作業には内蔵GPUで充分です。

内蔵GPUは、エネルギー効率が高く、基本的なグラフィックスタスクに適していることから、スマホなどの端末や一般的なオフィスワークに使うノートパソコンなどにおいて重要なパーツと言えます。

しかし、高度なグラフィックス処理やゲーム、動画編集などのクリエイティブ作業を行う場合には、外部のグラボを使う必要が出てきます。

そもそもグラフィックボードとは?

グラフィックボード、またはGPUカード、動画編集などグラフィック処理に特化したパーツです。主な役割は以下の通りです。

  1. グラフィックボードに搭載された専用のグラフィックスプロセッサは、高度な3Dグラフィックス処理を可能にします。これは、ゲーム、3Dデザインなどの処理に強みを発揮します。
  2. ゲーム業界や生成AIなどの機械学習の成長で需要は年々増加し、近年市場規模増えて、高性能なグラボを求める人が多くなりました。
  1. 大規模な計算タスク: グラフィックボードは、通常のCPUよりも多くの演算を並列処理できるため、大規模な計算タスクにも適しています。機械学習、仮想通貨のマイニング、科学的シミュレーションなどで利用されます。

グラフィックボード、またはGPUカード、は視覚的なタスクにおいて非常に重要な役割を果たします。

ゲーマーやクリエイターにとっては、高性能なグラボが不可欠です。

パソコンの性能向上において、適切なグラボの選択は重要で、用途に応じて最適なモデルを選ぶ必要があります。

内蔵GPUとグラフィックボードの併用メリット

内蔵GPUとグラフィックボードの併用には、さまざまなメリットがあります。

  1. パフォーマンス向上
  • 内蔵GPUとグラフィックボードを併用することで、ゲームや映像編集においてパフォーマンス向上が期待できます。当然グラボを外付けしたパソコンは、フレームレートなどの点で内蔵GPUだけのシステムよりも優れています。

2.グラフィックスの細部を楽しむ

  • 視覚的な比較: グラボを搭載したゲームや映像制作環境において、高品質なテクスチャとエフェクトが利用可能です。これにより、ゲーム内の細部や映像のリアリズムが向上し、プレイヤーの没入感が段違いです。

3.仮想現実(VR)対応

  • 市場成長: 仮想現実の分野は近年急速に成長しており、多くのユーザーが手軽にVR体験を出来るようになりました。高性能なグラボを追加することで、高解像度のVRコンテンツをスムーズに実行出来るようになりました。

4.グラフィックス関連の作業を効率化:

  • 生産性向上: 映像編集、3Dモデリング、デザイン作業などのクリエイティブな作業において、高性能なグラボを使用することで、リアルタイムのプレビューや高速なレンダリングが可能になり、生産性が向上します。

内蔵GPUとグラフィックボードの併用方法

内蔵GPUとグラフィックボードを効果的に併用するためには、以下のステップを追うことが必要です。

ハードウェアの準備:

  • スロット挿入: グラフィックボードを正しいPCI Express(PCIe)スロットに挿入し、パソコンが外部GPUを認識できるようにします。
  • 電力供給と冷却: グラボが電源ユニットから十分な電力を受け取り、適切な冷却を受けることが重要です。これにより、安定性とパフォーマンスが確保されます。

ドライバのインストール:

  • 正しいドライバ: グラフィックボード用の最新のドライバをインストールすることは不可欠です。これにより、パソコンは内蔵GPUと外部GPUを認識し、必要に応じて切り替えることができます。

BIOS設定:

  • 外部GPUの優先度: BIOS設定画面で、どのGPUを優先するかを設定します。これにより、起動時にどちらのGPUを使用するかを制御できます。適切な設定がパフォーマンスに大きな影響を与えます。

グラフィックス設定:

  • アプリケーションごとの設定: 最後に、ソフトウェアレベルでどのアプリケーションがどのGPUを使用するかを設定します。
  • 多くのアプリケーションは自動的に判断しますが、特定のアプリケーションを内蔵GPUまたは外部GPUで実行するように手動で設定することも可能です。

こうした使い分けが出来ると以下のようにタスクを分担する事が出来るようになります。

  • ゲームプレイや機械学習への使用: 内蔵GPUはウェブブラウジングなどで軽量な作業に使用し、グラボをゲームプレイや生成AIなどの機械学習に利用することで、パフォーマンスと効率の向上を両立出来ます。
  • 映像編集: 内蔵GPUは一般的なタスクに適しているため、通常の操作に使用し、映像編集ソフトウェアを起動した際にはグラフィックボードを活用することで、高解像度映像のスムーズな編集が可能です。

注意点とデメリット

内蔵GPUとグラフィックボードの併用には、いくつかのデメリットもあります。

電力消費と発熱

内蔵GPUとグラフィックボードの同時使用に伴う注意点:

  • 電力消費: 外付けのグラボを追加すると、当然システムの電力消費が増加します。特に高性能なGPUを使用する場合、適切な電源ユニットが必要です。電力供給が不足すると、システムが安定せず突然電源が落ちるといった事も起こり得ます。
  • 発熱: グラボは通常、熱を発生させます。十分な冷却が出来る事が大前提です。追加のファンや場合によっては水冷などの冷却装置を検討することで、過熱を防ぎ、システムの寿命を延ばすことができます。

互換性の問題

内蔵GPUとグラフィックボードを同時に使用する際の互換性に関する注意点:

  • BIOSアップデート: 一部のパソコンでは、内蔵GPUと外部GPUを同時に使用できない場合があります。この問題を解決するために、パソコンのマザーボードに対する最新のBIOSアップデートを行うことが必要です。これにより、両方のGPUが認識され、切り替えが可能になります。
  • ドライバの互換性: 内蔵GPUとグラフィックボードが正しく動作するために、最新のドライバをインストールしましょう。特に新しいグラフィックボードを導入した場合、対応するドライバを確保することが重要です。

ソフトウェアの設定

内蔵GPUとグラフィックボードを使う際のソフトウェア設定に関する注意点:

  • アプリケーションの設定: 一部のアプリケーションは、内蔵GPUとグラフィックボードの切り替えをスムーズに行えないことがあります。特定のアプリケーションにおいて、どちらのGPUを使用するかを手動で設定する必要があり、少々手間です。
内蔵GPUと外付けグラボの併用に関するよくある質問

Q1: 内蔵GPUとグラボを併用するとどのようなパフォーマンス向上が期待できますか?

A1: 内蔵GPUとグラフィックボードを併用すると、グラフィックス性能が大幅に向上します。例えば、ゲームではより高いフレームレートや高解像度の設定が可能になり、映像制作ではスムーズな高解像度編集が行えます。

Q2: 内蔵GPUと外部GPUを同時に使用するにはどのような注意が必要ですか?

A2: 内蔵GPUと外部GPUを同時に使用する際には、以下の点に注意が必要です。

  • 適切な電力供給と冷却を確保しましょう。
  • パソコンの互換性を確認し、必要に応じてBIOSアップデートを行うことが重要です。
  • ソフトウェア設定を注意深く調整し、アプリケーションごとのGPU選択を確認しましょう。

Q3: 内蔵GPUとグラフィックボードの併用はどのようなユーザーに適していますか?

A3: 内蔵GPUとグラフィックボードの併用は、特にゲーマーや映像クリエイター、3Dモデリングの専門家、生成AIを用いて機械学習を頻繁に行う人などに適しています。

まとめ

内蔵GPUとグラフィックボードの併用は、パソコンの性能向上に革命をもたらす手段です。

パフォーマンス向上、美しいグラフィックス、VR体験、クリエイティブな作業の効率化、これらの利点は魅力的ではあります。

しかし、それに伴うデメリットもあるということを頭の片隅に入れておく必要があるでしょう。

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