アメリカのパソコンメーカーのDellはコスパの良さで人気ですが、ネットで検索すると「Dellはやめとけ」とか「二度と買わない」といった評判をみかけます。
今回の記事では、こうしたDellの評判がつく理由や原因を考察しつつ、本当にDellはやめといた方がいいのかについて解説したいと思います。
Dellというメーカーについて
Dellはマイケル・デル氏が1984年に設立したパソコンメーカーです。
Dellは、世界で初めてBTO(パーツなどをカスタマイズできる)パソコンというジャンルを切り開いたメーカーとして有名です。
日本でもコスパの良さで人気を集めているメーカーです。
余談ですが、筆者が大学生の頃に初めて買ったノートパソコン(Inspiron 1150)がDellでした。
Dellやめとけとか二度と買わないと言われる理由
Dellがやめとけとか二度と買わないと言われてしまう理由は主に以下の3つです。
製品によって個体差が激しい
Dellは世界シェア的には、Lenovo・HPに次ぐ第3位という規模感を活かしたビジネスモデルで、基本的には「ガンガン作ってガンガン売る」という手法です。
Dellは、北米2箇所、南米、ヨーロッパ、マレーシア、中国の合計6箇所に工場を持っていますが、日本向けのパソコンは中国東南部の福建省・厦門(アモイ)にあるCCC (China Customer Center)で生産された物が日本に輸出されている形です。
なので、どうしても日本国内の工場の製品に比べると、個体差が激しく初期不良が起きやすく、それがユーザーの不満につながっている可能性は否定できません。
工業製品である以上、不良品にあたる可能性はゼロにはできませんが、外れにあたった人からみたら面白くないのは確かです。
とはいえ、この中国の工場の品質が一概に悪いという訳ではなく、効率的な生産を行いながらコストダウンを図る手法の一貫なので、こうしたビジネスモデルが悪いとまでは言えません。
他のメーカーと比べて納期が遅い
Dellの日本向けパソコンの製造工場が中国にあるということは、そこから日本に輸出する手続きが挟まる分、他のメーカーよりも納期が遅くなります。
Dellの公式サイトの出荷予定表には以下のようになっています。
まして、Dellの場合BTOで構成を一部カスタマイズする仕様なのでその分時間が掛かります。
たしかに、私も20年近く前に買った時も実際に届いたのは、2週間くらい待った記憶があります。
この点はDellの弱みとなっており、いち早く欲しい人から見ると不満に思う原因の一つなのは事実です。
サポートの料金が高い
Dellには自動延長サポートという延長保証的なサービスがあります。
これは、通常でついてくる1年保証に加えて、最大4年のサポートサービスが受けられるという物です。
1年あたりの金額は個人向けのエントリー向けのノートパソコンのInspironシリーズだった場合、一番安い保証でも、8600円します。
仮にこのサポートを3年受けると仮定した場合、2万4000円くらいになります。
これではいくら本体が安くても、サポート料を合わせると他のメーカーと変わらないという事になります。
前述したとおり、Dellのパソコンは中国の工場で生産されており、日本の工場と比べると厳密な品質管理がなされていない節があります。
そうなると、こうしたサポートは必須になります。
しかし、個人向けの場合は電話サポートは中国の方による対応となるので、どうしても言葉の壁を感じます。
プロサポートサービス(4年間で4万円くらいします)を使えば、日本人の方の電話サポートや引取修理などのサポートが受けられます。
この値段をどう見るかは議論がありますが、サポート価格を抱き合わせで販売する日本のメーカーはどうしてもパソコン本体が高くなります。
反面、Dellはサポート・保証・パソコン本体がそれぞれ別にすることで、パソコン本体が安く提供できるという面があるということは覚えておく必要があります。
Dellがおすすめな人とおすすめできない人
残念ながらDellは全ての人におすすめできるメーカーとは言えません。
Dellがおすすめな人は以下のような人です
逆におすすめできない人は以下のような人です
Dellはそのビジネスモデル上、パソコン本体は安いですが、残念ながらサポートや保証は別途追加購入してねというスタイルなので、最初からサポートがある程度ついているのが当たり前と思っている人には合いません。
逆に、パソコンのトラブルはある程度自分で対処できる、もしくはそれ自体を楽しめるという人であれば、このパソコン本体価格の安さは魅力なのは間違いないです。
デザイン面に関しては、良く言えば無骨、悪い言えば代わり映えしないデザインなので、デザインに拘りがある人にもDellはあまりおすすめできません。
Dellは少しでも安くパソコンを提供する為に、いわゆる型落ちのCPUを使っている場合があります。
例えば、以下のようなVostro 3420というノートパソコン(法人向け)の場合CPUにCore i3-1215Uという2世代前の物が使用されていたりします。
なので、エントリーモデルのパソコンでも最新世代かそれに準じる物が欲しい場合は不向きです。
まとめ
いろいろ書きましたが、Dellにやめとけとか二度と買わないといった悪評が付いてしまうのは、Dellのビジネスモデルをあまり理解せずに購入した人が、期待ハズレなパソコンが届いたり、サポート体制に不満を持った結果なのではと推察します。
とはいえ、Dellは今回の記事であげた注意点をうまく回避して購入すれば、LenovoやHPと同様に検討する価値のあるメーカーです。
個人的には、初めて買ったInspiron 1150は所々ガタが来ているものの、今でも起動したりする(実用には耐えない)ので、Dell=品質が悪いとは言えないという感じです。
それでは今回はここまでとなります。最後までご覧いただきありがとうございました。