インテルの廉価CPUとして、有名なのがCeleronです。
パソコンにそこそこ詳しい人なら、幾度となく目にして来たCPUの一つです。
しかし、その性能の低さからCeleronはゴミ・情弱御用達・やめとけなど悪評が多く出回っているCPUでもあります。
そこで今回の記事では、Celeronがゴミとかやめとけなどと言われてしまう、本当の理由を明らかにしたいと思います。
Celeronがゴミと言われてしまうのは何も知らない人がメインPCとして使おうとしたから
Celeronがゴミとかやめとけと言われてしまう原因は、いくつかあるのですが、主な理由は以下のような感じです。
そもそもメインPCにCeleronはおすすめしない
もし、メインに使う用途で、あれもこれも使う目的でCeleron搭載のパソコンを買うのはおすすめしません。
特に家電量販店であるような10万円近くする、ノートパソコンにCeleronが搭載されているパターンは絶対に手を出さない方がいいです。
そうした、ノートパソコンを買った人がメインPCに使おうと思って、あれもこれもと、いろんな事をやらせようとすると、確実にもたつき感があり、複数のソフトを同時に起動して日には、ストレスマッハです。
そんな、パソコンを買った情弱の方達が、価格の割に全く使えないCeleron搭載パソコンをゴミだと吹聴してしまうのです。
ただし、これはそうしたパソコンを買った人が悪いのではなく、家電量販店の人が軽い作業くらいなら普通に使えると言って売りつけた事も理由の一つです。
Celeronの比較対象を間違えている場合
Celeronというのは、その性質上同じ世代の上位モデルのCore iシリーズと比較するのは、完全にお門違いです。
例えるなら、プロ野球の一軍のチームと二軍のチームを比較するような物です。
Celeronの比較対象となるのは、インテルの競合他社でもあるAMDのAthlonシリーズなのであって、上位モデルのCore iシリーズではありません。
そこを勘違いしていると、いつまでもCeleronは使えないという誤った言説に引っ掛ってしまいます。
WindowsOSとCeleronは相性が悪い
実の所WindowsのOS(2024年現在では11)とCeleronはあまり相性が良くありません。
何故なら、年々WindowsのOSは要求スペックが上がっており、仮にメモリが4GBあると、起動しただけで半分近くのメモリを食っています。
そんな状況なので、非力なCeleronでは最新のWindowsを快適動作させるのは、最初のうちはまだましだとしても、徐々に重たくなりブラウザを開くのもモッサリなんて事もあります。
じゃあ、「メモリを増やせばCPUの負担が減るのでは?」と思うかもしれませんが、実はそんな事は無く、メモリを増やして多くのソフトを同時に動かそうとしても、非力なCeleronではそうした作業を捌ききれないのです。
なので、メモリを増やす事はCeleron搭載パソコンの処理性能のアップには、ほとんど寄与しません。
ChromeBookだとCeleronでも良い
Windowsは重たいですが、GoogleのOSのChrome OSを搭載した、ChromebookだとOS自体が軽量なのでCeleronでも充分に使える上に、価格も手頃に抑えられます。
物にもよりますが、平均して3万円~4万円くらいでそれなりのスペックのノートパソコンがChromebookなら手に入ります。
これがWindowsだと、最低限度Windowsが快適に使えるスペックを求めると、どうしても5万円以上はします。
Celeronは使用用途によっては使える
Celeronは使用用途によっては使えます。
というより、ある程度使用用途を限定しないと、Celeron本来の性能を発揮するのは難しいでしょう。
結論から言うと、Celeronは以下のような作業に向いています。
逆に向いていない・満足にこなせない作業は以下のような物です。
これを踏まえた上で、Celeronを搭載したパソコンの主な用途がどのような物かを考えて、パソコン選びをしましょう。
これらを一切考えず、なんとなく店員におすすめされたからとか、なんとなく安いからという理由で、Celeron搭載のパソコンを買うと、「Celeronはゴミ」、「Celeron搭載PCで絶望した」などという感想を抱く事になりかねません。
Celeronの利点は消費電力が低い事
改めてCeleronの特徴をまとめると、以下のようになります。
この中で、特に注目したいのが、消費電力の低さです。
例えば、Celeron N4120は消費電力はおよそ6Wくらいで、比較的省電力なCore i3 1215Uでも15Wなので、およそ半分くらいなので、省電力という点ではむしろ上位モデルのCore iシリーズよりも優位に立っています。
もちろん、これは処理性能を犠牲にした結果ではありますが、軽い作業しかしないのにCore iシリーズを搭載しても宝の持ち腐れな上に消費電力も増えるので、むしろマイナスの面も増えてきます。
消費電力が低いという事は、発熱が抑えられる事とイコールです。
すると、ノートパソコンであればファンを無くしてにして、静音化や薄型化も出来るというメリットもあります。
ノートパソコン向けのCeleronは廃止されてしまう?
Celeronがゴミかどうかについて、散々書いてきましたが、インテルは2023年1月に「Celeron」や「Pentium」の両ブランドを廃止し、新ブランド「インテルプロセッサー Nシリーズ」に置き換える事を発表しています。
このNシリーズの性能はなかなか侮れず、N100というモデルだとあくまでもベンチマークソフト上では、5578となっており、第10世代のインテル Core i3-1005G1の5148よりも高い数値になっています。
Celeronが過去の物になりつつあるのは、初めて買ったノートパソコンがCeleronだった私としては、少し寂しい気もしますが、これも時代の流れなので仕方がないのでしょう。
まとめ
Celeronはノートパソコン向けには廃止される事が決定済みですが、デスクトップパソコンはまだまだ販売が継続されるようです。
デスクトップパソコンなら、もっとハイパワーなCPUを使った方が良いという考え方もできますが、消費電力と価格を抑えつつ、ある程度使えるデスクトップパソコンが欲しいという層は一定数居るはずです。
そうした意味でも、Celeronもまだまだ捨てたもんじゃないなと個人的には感じています。
それでは今回はここまでとなります。最後までご覧いただきありがとうございました。